1900年1月27日付 琉球新報記事 画像

海外交易調査会(続)

焼酎

一陶磁器

陶磁器は已前福州と交通せし頃多く輸入ありたれども近来は内地品を使用す。然れども支那製は其価廉にして内地品にして一束三十銭以上のものも十四五銭にして得られ尚仮令へ本県にて使用せざるも他府県へ輸出の見込あり。

一竹

竹は其用途広く砂糖樽其他桶類の箱用として鹿兒島県より年々夥しく輸入あり。本県は此種類の竹甚だ少なし。福州は竹多く且つ其実良好にして釘を打つも割るることなし。

一漆類

支那漆は其価廉にして現今本邦へ非常の輸入あり。本県も漆器を製造するを以て多く大坂より輸入す。其価の廉なるものは支那漆を混和すと云ふ。支那漆の品質は明かならざれども試験の上適當する見込あれば本県に於て之れを使用すれば価廉なるを以て大に利益あるべし。小嶺氏の談に依れば支那漆の下等品は品質劣等にして到底使用すること能はざれども上等品は日本漆より一層上等なるものありと云ふ。本県の価額は上一斤一円五六銭下は一円位なり。

一金銀箱

福州にて製する金銀箱は其価額他府県と同様なれども其品質可なり。又其大小種々あれども一寸角のもの凡そ千枚一円十八銭位なり。

(未完)