1900年2月1日付 琉球新報記事 画像

海外交易調査会(続)

一魚煙

魚煙は魚の気台より製するものなり之れを煮て膠の代用とす。

一海人草

本県に多く産す。已前福州輸出品の一なれば今後交通開かれば又多くの輸出あるべし。本県にて其価上等百斤凡そ十円以上下等は三四円位なり。

一ヒハツ

八重山に多く産し是亦已前福州へ輸出せり。薬用とす。

一牛皮

支那にては牛皮其他の皮は薬に浸し薄片とし鞄等を張るに用ゆ。需要あるを以て輸出するときは利益あるべし。

一石炭

八重山より生産す。直接交通の便開くれば輸出品中重要なるものとなるべし。

一白黒胡麻

支那にて需要多きを以て輸出の見込あり。

一牛油

牛油は器械用及蝋燭製造用に多く使用す。需要多し。

一牛筋

弓のつるとす。

一芋葛

糊又は食用とす。本県に於て芋の価額下落せるときは葛を製し輸出するときは利益あるべし。已前福州と交通する時代には年々多額の輸出ありたり。

一泥藍

支那藍に比すれば価廉ならざれども品質上等なれば又輸出あるに至るべし。先年之を輸出したるものあり。然れども其結果明ならず。

一茯苓

薬用とす。松の根にあり其形芋の如し他府県より輸入せり。

直輸出入の保護及奨励

那覇港開港場に指定せられ今后二ケ年に五万円の輸出入なかるべからず。其目的を達せんとするには保護奨励すべき事項多々あるべしと雖ども其尤急務は直接に福州厦門延いては香港迄も航通機関を設備するにあり。先年那覇港特別輸出入額は僅かに数十円に過ぎざりしが如きは全く此の機関の備はらざりし所以なり。依て左に交通機関に就ての調査を掲ぐ。