1900年10月5日付　琉球新報記事　画像□

○寄留商人案内(四)

▲(山にト)　藤田喜兵衛氏
の商店は那覇区字西八番地にして那覇商店は藤田喜兵衛氏の次男藤田正八郎氏管理し大島支店は長男藤田正太郎氏管理し鹿兒島本店は正太郎氏の母管理し大阪支店は藤田喜兵衛氏自から管理せり。先つ寄留商人中親子各地に商店を開き自から管理せしは藤田氏のみなりと云ふ。商業重に雑貨商をなせり。

▲(山に木)　高橋栄吉氏
は那覇区字西四十三番地に商店を開き茶並に雑穀類を販売し居れり。本店は鹿兒島の木佐木商店なり。高橋栄吉氏は鹿兒島旧造士館高等学校の卒業生なりと云ふ。

▲(「には)　原田次郎氏
の商店は那覇区字西二十二番地にして商業は内地品は鬢付蝋燭等を販売し本県品は牛馬並に畳表を買ひ入れ鹿兒島大阪へ輸出し居れり。原田氏は各離島へ支店を開き居ると云ふ。

▲(「に生)　古川吉衛門氏
は那覇区字東百八十二番地に商店を開き商業は茶並に雑穀類を販売し又多く泡盛を買ひ入れ鹿兒島に輸出し居れり。

▲(山に世)　山下清左衛門氏
は久しき以前より本県に商店を開きし人にして本県の事情には精しく通じ居れり。商店は那覇区字東八十三番地にして商業は重に雑貨にして又本県にては砂糖商をもなし居れり。